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いろんな人間でカオス、くらいがいい!

Interview

Chief Production Manager 熊谷 美郷

2010年新卒入社。10年目のチーフプロダクションマネージャー。強力な推進力と面倒見の良さは定評あり!

制限の中で自由に暴れるかっこよさもある

「とことん段取る」と「ノリで行く」のバランスはもう、永遠の課題ですよね。大事にしているのは、ルールの中でどれだけ自由にスタッフに泳いで貰えるか、ということ。ドキュメンタリーと違って、CMは視聴者が辿り着く読後感、購買意欲やイメージアップに結びつくかまで計算できていないといけない。でも、「グッとくる」「なんか素敵」っていうひどく曖昧なものまでついてこないと、いわゆる「良い上がり※」にならないんですよ。PMはある種の予定調和を完璧にコントロールできてなんぼだし、その訓練は絶対すべきで。私自身、予め決めたことをきっちりやりたいタイプですけど、でもそこを逸脱したときに「超良い上がり」になるのを、嫌ってほど経験してるんです。いつもそれが悔しい。周りにも周到で丁寧な準備を求められているのに、結局、予想外のはみ出したことがズバ抜けるって!不条理にも程がある(笑)。でも、編集でどうにかこねて収拾つける手法はどうしても好きじゃなくて。15秒のCMサイズって、計算が立ってないと生かしきれないんです。本当に難しい。だからスタッフの皆さんに十分暴れてもらう度量は持ちつつ、企画意図とか予算とか、限られた条件の中で飽和させることがやっぱり好きだし美しいなって思います。

※上がり:映像の仕上がりのこと。クオリティという意味で使用される。

いろんな人でごちゃまぜなプロダクションがいい

私はいっぺんにたくさんのことを考えられないので、メイン制作のときは撮影までに少しずつ「脳みそを分ける」作業をしています。安全に確実に地盤を固めないと不安なので。情報すべてが自分に集約しているとタイトな現場は回らないから、スタッフや応援のPMたちと事前にきっちり打ち合わせして…。把握している人間を増やして助けて貰わないと、私の現場は成立しません(笑)。Pにもブツブツ細かく報告するから、話長いって思われてるだろうな。でも開き直ってます。世間のPMは分業制も多くて得意なことだけ担当してる場合も多いし、他社もそうしてるんじゃないかなあ。優秀なPMも皆どこかは欠けてるし、プロデューサーとPMの関係もそうですけど、ほんと補い合いです。でもそれでいいと思う。くそ真面目がいてざっくりした奴がいて。鈍感でも繊細でもいい。ごちゃ混ぜのほうがトータル的には結果噛み合うから、プロダクションはいろんな人間でカオスになってるくらいが良い気がします。どんな人が向いてるとかじゃなく、変人も真人間も必要だと思う。そのほうが楽しいし、持ち場を作れる。脳みその手分けがうまくいくと、現場でちゃんと内容に集中できるんですよ。PMはもっとCMの中身に深く踏み込んでいいんだから、自分のことをただの手配屋と思ってドライにならないでほしいです。いまのPMに期待されてるのは一周回って、いいものを作りたいっていう情熱だなってすごく思う。誰よりもたくさん働けという意味じゃなく。①よく考える。②雑にしない。③ほんのひと工夫。それだけです。そして文明の利器を大いに使って、情熱をスマートに捌く時代だなと。効率を上げることは決して、熱量の低下とイコールじゃないはずだから。

任せたり促したりできるようになりたい

先輩女性プロデューサーの高橋さんと岡澤さんとは主婦仲間ですが、そもそも違う会社でやってきた人たちなので、男性陣とはなんだか毛色が違うんです。共通点は、問題を簡単に持ち帰らないでその場でビシッとやっつけるところ。あとPMの意見をちゃんと聞いてくれる。私はまだ後輩に任せきれない性分なので、そこも見習って、任せたり促したりできるようにならないと。あと高橋さんが前に、岡澤さんの仕事ぶりを「主婦の道楽」と言って笑ってたのが忘れられない。誤解ないニュアンスで伝えたいんですが、道楽だなんてとんでもないんですよ。お子さんもいるし、ありえないレベルのガッツで作品に向き合ってる人。それを「道楽」とイジって笑う、愛情溢れるハイパーなギャグセンスなんですけど…伝わりますか?(笑)たぶん純粋に制作が好きで楽しんでる同志なんですよね。気負わずにカラッと仕事をする姿が超カッコいいです。その背中を見てると、とてもああはなれないと落ち込む反面、私も後輩のコンプレックスを刺激する嫌味な存在になってみたいなとも思うんです。